出産現場から

連載第1回

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助産師(ホットハンズ

私は小さな診療所で助産婦をしています。今7年目です。 昨年出産して、1年の育休後、復職しました。
ちなみに、もちろん自分の働く診療所でお産しました。 自分がされて嫌な事は、患者さんにもしたくない、 自分がお産したいと思える所で働こうと決めて就職したからです。 育児と仕事の両立(家事は手抜きなのであまり両立してません)は 確かに大変ですが、楽しいです。

私は小さい頃から看護婦になりたいと思っていました。
それなのに何で助産婦? 自分でも不思議ですが、姉の出産がきっかけだったように思います。
初めて身近に育児の大変さを感じました。
ノイローゼになっても不思議じゃない、 こんな状態を誰か助けてあげられる人はいないのか、 そんな思いが、漠然と助産婦への道を進ませたように思います。
でも、私の助産婦学校や実習病院ではお手本とする助産婦はいませんでした。
助産婦学校のある先生は、講義の中で言いました。 「助産婦で一番大切なものは何かわかる?会陰保護よ!」 ん?何か違う・・・。 確かに会陰が切れないようにする技術は大切です。
でもそれが一番大切なこと? 今の診療所を知り、初めてとても尊敬できる医師と助産婦に出会いました。

最初に、すごい!と思った事は、先生が随分前にお産した赤ちゃんの名前や、 その兄弟の名前までちゃんと覚えている事。 私は自分が実習で取り上げたお母さんの名前が思い出せません。
それだけ流れ作業のように薄い関わりだったんです。
でもここでは、赤ちゃんとお母さんを1人の人間として、 じっくりと対等に深く関わっています。
今では赤ちゃんの泣き声を聞いて、「あ、あの子だ」とわかったりします。
でもこれって、すごい事じゃなくて、本当はごく当たり前の事ですよね。 ごく当たり前の事、ごく自然な事。 そんな事がどんどん忘れられているように感じます。

人間だって哺乳動物です。 子どもを産んで育てる事は、とても自然な営みです。
でもそれを不自然な方向に手を加える人たちがたくさんいます。
でも育児はとても大変です。 特に核家族化が進み、人間関係が希薄になってしまった現在では、 密室の中で孤独と闘いながらの育児をする母親もたくさんいます。 私自身、もういやだーって思った事、何回だってあります。
そんな時、支えになったり救いになるものって何でしょう。
私は出産が育児の出発点で、産後の入院期間は母になるための訓練期間だと思い ます。
それがマイナスイメージで残れば、その後の育児にも影響するでしょう。

自分の子を心からかわいいと思える、そんなお母さんになってほしい。 そのお手伝いができたらいいなあ、そう思って毎日仕事しています。 私もまだまだ発展途上。 お母さんたちと一緒にがんばっていきたいなあー。 今日はとりあえずこの辺で。


連載第2回

今回は私が最も大切だと思っている母子同室の事を書こうと思います。
母子同室って知ってますか? お母さんと赤ちゃんが一緒の部屋でずっと一緒にいることです。
そして赤ちゃんが泣く度におっぱいをあげて(これを自律授乳といいます)、 抱っこしておむつをかえて・・・・。 残念ながら今は多くの産院で、母子異室のシステムがとられています。
赤ちゃんは新生児室に集められ、お母さんは授乳の時だけ赤ちゃんに会うのです 。
夜中はお母さんを休めるために、授乳がない産院も多くあります。
でも、赤ちゃんたちは夜中も起きておっぱいをほしがります。
入院中はゆっくり夜寝られても、退院してからは夜中に何度も“起こされる”の です。
退院したその日から突然、赤ちゃんのリズムに合わせるのって大変です。
これって何だか辛そうじゃありません? 私は自分の働く診療所でお産しました。

分娩室でも、すぐ横に生まれたばかりの我が子がいます。
そして部屋に帰っても、すぐ横にというか、一緒のお布団で寝ます。
赤ちゃんの温もり、いいにおい、そんなものに私は抱きしめられます。
お産直後って、興奮していて何だか眠れないんです。
赤ちゃんの向こう側には夫がいて、まさに家族で川の字で寝ました。
その時の幸せな気持ちといったら!! 人生で一番幸せだ、と感じた瞬間でしたね。
2人の寝顔をずっとずっと見ていました。
生まれたての我が子を抱きしめて、ほっぺに何回もキスしてました。
赤ちゃんの肌って最高に気持ちいいですよね。 入院中の1週間は、まさしく極楽でした。
食事から帰っても、トイレから帰っても、部屋には自分の子が寝ています。
寝顔を眺めているだけで満たされて、あとは何にもいりませんでした。
あ、でも、当時大人気でずっと見ていたキムタクのドラマだけは、 ビデオに撮るよう夫に頼んだっけ・・・。
お恥ずかしい・・・。

私は幸せな事に、おっぱいがとてもよく出ました。
最初の2日間くらいは子どももちょくちょく泣いて頻繁におっぱいを飲ませるので、3日目くらいからはよく寝ました。 でも自分のおっぱいが張ってくるので、子どもより先に痛くて目が覚めます。
起きてきてくれると、うれしくて、早くおっぱいを飲んでほしかった。 赤ちゃんに飲んでもらうのが一番楽になりますから。 退院してからもそれほど大変ではありませんでした。
夜中に何回もおきて授乳するのも既に経験済みですし、 昼間も子どもと一緒に昼寝して、細切れ睡眠していました。 ただ、食事作りや洗濯という家事が増えた分だけ、 入院中より極楽度は下がりましたね。

私は確かに色々な環境面で恵まれていましたが、 これが特別な事だと思いますか? 私たちのおばあちゃんの世代までは、自宅に産婆さんが来てお産するのが普通 で した。
だから母子同室も何も、一緒にいるのが当たり前だったんですよね。
お母さんや赤ちゃんに異常があれば別ですが、 そうでなければ離れ離れになっている方が不自然な事のように私は思います。
だって自分で産んだ子に、会いたい時に会えないんですよ。 自分の子だもの、泣いたって何したって、かわいいーと心から思えます。 (今は憎たらしーと思う事もたくさんありますけどね・・・) 育児って思い通 りにならない事の連続です。

私も泣きたくなる事や、怒ってしまう事、毎日のようにあります。 でも、あの幸せな1週間を思い出すと、今でもフッと心がなごみます。 お産の時が育児の出発点で、原点ですよね。
この子が生まれてきてくれて、私に与えてくれたたくさんの幸せ、 それを思い出すとがんばれるんです。
忘れてしまう事もたくさんありますが・・・・。

私は自分で経験して、やっぱり母子同室だ!!って思いました。 この良さをたくさんのお母さんたちに伝えたいです。 今までは少数派だったけれど、最近では徐々に増えてきています。 うれしいなあと思います。 まだまだ母子同室については書きたいことがたくさんあります。 今回は経験した母としての立場からかきました。

次回は助産婦としての立場からもうちょっとだけ書いてみようかなと思います。


連載3回目

前回の母子同室の続きです。

一日中赤ちゃんと一緒だなんて、お母さんが疲れるんじゃない? そう思ってる人、たくさんいるんですよねえ。 でもね、自分で経験しても感じましたが、不思議とそうでもないんですよ。 妊娠後期って、トイレも近くなって、夜中に何度か目が覚めたりします。 これって赤ちゃんが生まれてからの細切れ睡眠のリズムに、 お母さんの体が準備してるからなんですって。 私も何度も目が覚めて、熟睡感がなくて、「何でこんなに眠れないんだろう」と 思った時、この事を思い出しました。 そうか、お母さんと赤ちゃんの絆ってすごいんだって思いました。 今までつらかった事も、前向きにとらえられるようになるんですね。 赤ちゃんが生まれてからは、最初の2〜3日はおっぱいもまだ少なく、 1時間ごとに泣いてきたりします。 お母さんたちはいくら細切れ睡眠のリズムに慣れて、 短時間で深く眠れる体になっていたとしても、 これってけっこうしんどいですよね。 「何でこんなに泣くの?」って思います。 でもそれで当たり前なんです。この時期はおっぱい準備期間ですから。 自分の子だけじゃない、みんなそうなんだってわかるだけでも、 わりと救われたりします。 私が働く診療所では、夜中よく泣く赤ちゃんの場合、 お母さんを休ませるために、2〜3時間赤ちゃんをスタッフが預かる事がありま す。 その間にお母さんにはグッと眠ってもらって、また復活してもらうんです。 赤ちゃんたちはどうしてるかって? ひたすら抱っこしています。 寝かせると泣くけど、抱っこしていると泣きやむ子が多いので。 時には2人の赤ちゃんを同時に預かって、ずっと抱っこしていて、 次の日筋肉痛になったなーんて事もしばしば・・・。 母子同室はとても大切ですが、それを援助するスタッフもとても重要だと思いま す。 生まれてすぐから2人きりで、誰も何も教えてくれなかったら、 それはとっても大変です。 抱っこの仕方、おむつの替え方、おっぱいの飲ませ方・・・。 初産のお母さんは、全部初めての経験です。 知らなくて当たり前なんです。 それを教えて一緒にしていくのが私たちの仕事です。 ほったらかしにはしません。安心してください。 赤ちゃんとずっと一緒にいれば、スタッフに聞きながら、自分でも試行錯誤しな がら、 1週間でみんな立派なお母さんになって退院していきます。 そんな姿を見て、送り出すのが私たちの幸せです。 入院中赤ちゃんと別々で、退院してからいきなり夜も世話をしろと言われても、 わからない事だらけで不安になって当たり前ですよね。 「なんで?なんで?」の繰り返しだと思います。 教えてあげなかった私たち医療者が悪いのです。 つらい虐待のニュースを耳にするたび、私は歯をくいしばって胸の痛みに耐えま す。 この母子の出発点はどうだったんだろう、支えはあったんだろうか、 ここまで追い込んだものは何だったのか・・・・。 自分自身の力の無さを痛感します。 もっともっとできる事があるはずです。 ただ、母子同室をしたいと思ってもできない人たちもあります。 お母さんや赤ちゃんに異常があって、治療が必要な場合。 それでもずっと離れ離れになるのではなく、例えばNICUに冷凍母乳を運んで、 面会して抱っこしたり、触れ合う機会をとにかく増やす事、 そんな事がとても大切だと私は思います。 それから、同じ母子同室を選んでも、母乳分泌の少ない人にとっては、 母乳分泌の多い人に比べると赤ちゃんもよく泣き、 つらい場面が多くなる事もあります。 私たち産科スタッフは、このような人たちにこそ、 より細やかなケアをしていかなければなりません。 すべてのお母さんに、我が子を心からかわいいと思って育てていってほしいから 。 残念な事に、世の中のお母さんたち以上に、母子同室について理解のない 助産婦や医師がまだまだたくさんいます。 なかなか大変です。 でも諦めるわけにはいきません。 そしてこれからお産しようとする方たちには、しっかりとした意志を持って、 自分の出産場所を選んでほしいと思います。 どんなお産がしたいのか、どんな入院生活を送りたいのか。 流されてはいけません。 だって赤ちゃんを産んで育てるのは、自分自身なんですから。 自分が一番納得できるやり方を選んでください。 私なら迷わず、一番に母子同室を勧めます。 最も自然です。幸せです。 赤ちゃんがお母さんと離れたいなんて、思っているわけがないですもんね!


連載第4回

助産婦ってナニ

今回は少し息抜きです。 みなさん、助産婦ってナニって思った事ありません? 実際仕事していても、「看護婦さん」と声をかけられる事もたくさんあります。 助産婦と看護婦って何が違うの? そうですね、助産婦は看護婦免許を持っている人(もしくは取得見込みの人)が 、 もう1年助産婦学校に通って、国家試験を受けて取る事ができる資格です。 今は4年制大学の中に、選択で助産婦資格をとるためのカリキュラムを 組み込む事ができるところもあります。 看護婦も助産婦も国家試験を受けて合格すると、免許がもらえます。 ですから助産婦は看護婦と助産婦両方の免許を持っていることになりますね。 よく「助産婦さんって看護婦さんよりすごいんですよね」と言われます。 確かに正常なお産をとりあげるという資格は持っています。 でも私自身は、比べてどちらがすごいなんて考えた事はありません。 役割分担だと思うから。 私の職場では私よりずっとベテランの看護婦さんが何人もいます。 助産婦の私が、その人たちにかなわない事たくさんあるんですよ。 例えばおっぱいを搾る技術であったり、授乳の介助であったり・・・。 お産の進行具合の観察だって、すばらしいものがあります。 私なんて全然・・・。いつも教えてもらう事ばかりです。 お産って助産婦や医師がとりあげてあげるものだと思います? 私はいつも、赤ちゃんとお母さんの共同作業のお手伝いをするだけだと思ってい ます。 異常なお産はそういうわけにはいかないので、そこで医師の登場になりますけど ね。 でも正常なお産って、本当に自然です。 お母さんたちが自分で産む、私は赤ちゃんを落とさないように受けとる、 そんな表現が正しいような気がします。 会陰保護という技術について、私の職場の先生はこう言います。 「裂傷がなかったら、お母さんが上手に産んだんだと誉めてあげなさい。 裂傷ができてしまったら、自分の技術が未熟だと反省しなさい。」 会陰裂傷なくお産できたのは、上手にいきみを逃して産んだお母さんの力だと、 本当に私も思います。 お産という場面では、常に赤ちゃんとお母さんが主役なんですから。 私たちは安全に、そして育児の出発点をすてきな思い出でスタートできるように 、 応援する脇役なんですよ。 みなさん、ぜひ自分が主役でお産してください。 何だか話がそれてしまいましたね。 こんな事を言ってると、「なーんだ、助産婦ってたいしたことないのに、 いつも威張ってるなあ」なんて思う人がいるんじゃないかな・・・・。 出産の現場に関わる私たちの仕事って、お産の時だけじゃないんですよね。 助産婦の力が求められる場面、妊娠中や出産後にたくさんあります。 私の働く診療所では妊婦健診の時、医師の診察の後、 毎回助産婦がお話をしています。 生活リズムの事、食生活の事など、妊娠中はもちろん、 赤ちゃんが生まれてからのことも考えて、より健康な生活を送れるように、 そしてしっかりと母親になれるようにと願って話をします。 みなさんがお産したところでは、妊娠中に助産婦と話をする機会ありましたか? コミニュケーションをとるというのも大切なんです。 そしてお産後の事も考えて、自分の生活を見直すチャンスですから。 赤ちゃんのためと思えば何でも頑張れますから。 次回はこの妊娠中の保健指導の事について触れたいと思います。 助産婦ってナニ?ちょっとはわかってもらえたでしょうか?


連載5回目
助産婦の保健指導について

今回は妊娠中の助産婦の保健指導の事を書きます。 ピンときませんよねえ? それなら「助産婦外来」という言葉なら聞いた事があるでしょうか? 医師の診察とは別に、助産婦が妊婦健診の時に、話をしたり、 中には診察なども行うところがあるようです。 私が働く診療所では、妊婦健診の医師の診察の後、毎回助産婦が話をします。 最初は、仕事、家族背景、今までの妊娠分娩、生活リズム、なぜここを選んだか 、今回のお産に対して望む事、などなど、その妊婦さんがどういう人か、 おおまかにわかるような内容を聞いていきます。 その後は、その時期に注意する事など、妊娠中の健康を保てるように、コミニュケーションをとりながら話をしていきます。  なぜ医師の診察だけではないんでしょう。 みなさんは妊婦健診を受けていて、聞きたいこともゆっくり聞けなかった、そんな経験ありませんでしたか? それにお産の時に、初めて会う顔ばかりの中で緊張しませんでしたか? 妊娠中から助産婦が外来でお話をして、コミニュケーションがとれると、知った人もいる中でお産する事ができますよね。 ずいぶん違うと思うんです。 私は外来でお話をする時、どんな妊婦さんにも、 必ず1回は笑ってもらおうと決めています。 無口な人、何だか話しづらいなあと感じる人、そういう人にも、 笑えるような冗談を交えながら、話をするよう気をつけているんです。 私たちだって人間ですから、誰とだってうまく話せるわけではありません。それに私はわりと人見知りする方なので・・・。 妊娠中に私たちに心を開いてほしいんです。 安心して妊娠生活を送ってほしい。 心配事があっても、それを出してほしい。 笑顔が見れると、お互いにちょっと気持ちが和むでしょ? 私たちだって妊婦さんと仲良しになりたいんですよ。 それから私たちが特に気をつけていること、それは生活リズムの事です。 今の若い世代は驚くほど生活リズムが乱れています。 専業主婦の人たちの中に、朝は11時くらいに起きて、食事はブランチ、 夜寝るのは1〜2時という人もいます。 中には上に子どもがいて、その子も同じような生活を送っているという人もいま す。 あまりに極端な例ですが、これに近い人たちは結構たくさんいるんですよ。 実際私だって、独身の時は、夜勤もある不規則な生活のために、 昼まで寝たり、夜中まで起きたりしている事、ありましたねえ。 でも家族ができて、特に子どもが生まれてからは、子どもの生活リズムを 守ろうと気をつけています。 初めてのお産をする妊婦さんたちは、生まれてくる我が子の生活リズムまで 想像している人はほとんどいません。 当然ですよね。それを教えてあげるのが助産婦の仕事だと思うんですよ。  早寝早起きができるように、何でも好き嫌いなく食べれるように・・・。 まずは親の生活を変えなくてはいけません。 赤ちゃんのためだと思えば、嫌いなものにも少しずつチャレンジできそうでしょ ? 親の食生活って子どもに大きな影響を与えます。 妊娠中に我が子を迎える準備をしてほしいなあと思います。 私たち助産婦は医師ではありません。 病気をみるのが医師の仕事。私たちには私たちの仕事があります。 役割分担です。医師にできない事を助産婦がするべきです。 その人の家族みんなが今も将来も、健康で幸せでいられるように。 21世紀をになう子どもたちの将来のために。 ・・・大きなことを書きましたね。 「わかってるけどできない!」そんな人もいっぱいいるでしょう。 完璧じゃなくていいと思うんです。少しずつできる事からで。 私もまだまだ勉強が足りなくて、行き届きません。 自分の生活だって、人に自慢できるものではありません。 でも気持ちだけはあります。 妊婦さんも、子育て中のお母さんも、そして働く助産婦さんたちも、 一緒に次の世代の子どもたちのためにがんばりましょう!


連載6回目
印象に残ったお産 その1
最高の笑顔を見られた瞬間

仕事が忙しかったりで、ものすごくお久しぶりになってしまいました。 今回はお産の事について書こうかなと思います。 今まで書いてきた文章を読み返してみると、何だか難しい事ばかり・・・。 そういう訳で、今回は私の印象に残ったお産の話を。 その妊婦さんは、初産で里帰りのお産でした。 お産が始まって、だんなさんに連絡したけれど、 何せ自宅からは5時間以上かかります。 おまけに予想に反して、お産は早く進みました。 「ご主人、間に合わないね」腰をさすりながら、そんな話をしました。 ところが、子宮口が全開大してから、陣痛が間のびしてきました。 今までのペースだったらとっくに生まれてるような時間になっても、 まだまだ時間がかかりそうな気配・・・。 「もしかしたらだんなさんが間に合うかも」 そんな気持ちが私の中に生まれてきます。 そこから、悩みましたねえ。 陣痛の間隔がまた短くなってきても、分娩室に行くのをためらいました。 部屋でゆっくりがんばったら、だんなさんが間に合うかもしれない。 でも苦しむ彼女を思うと、早く生まれてほしい・・・。 2つの思いが私の心の中で葛藤しました。 結局、待ちきれずに決心して、彼女に声をかけました。 「やっぱりご主人間に合わないけど、いいですか?分娩室に行きましょう。」 ずっと静かにがんばっていた彼女は、はい、とうなずいて、分娩室に入りました 。 分娩台でいきむと、もう赤ちゃんの髪の毛が見えてきました。 あと少し。私も一生懸命励ましました。 赤ちゃんの頭が3分の1くらい出た、その時でした。 廊下を走る足音とともに、だんなさんが分娩室に飛び込んできました。 何と、最後の最後で間に合ったのです! 彼女の嬉しそうな顔はもちろん、私もその瞬間涙が出ました。 だんなさんが到着して間もなく、赤ちゃんは無事に誕生しました。 まさしく、お父さんを待っていたようでした。 だんなさんの喜びようといったら!! すてきな夫婦の、最高の笑顔を見られた瞬間でした。 こんな事があると、本当にお産って神秘的だなあって思います。 これって珍しい事じゃないんですよ。 私が経験しただけでも、何人かのだんなさんが奇跡的に間に合っています。 赤ちゃんがお父さんを待っていた、本気でそう思うんです。 自然の力って素晴らしいと思いませんか? 赤ちゃんの自然の力に任せておけば、こんな素晴らしい奇跡が起きるんです。 人が手を加える必要なんて、ほとんどありません。 お産って2人の命がかかっているので、確かにこわいです。 でも素晴らしい!! 自分で体験してもそう思います。 すてきな育児の出発点になるように・・・。 次回もこんなお話を。

連載7回
印象に残ったお産 その2
赤ちゃんやお母さんたちが主役で、私たちは黒子

さて、前回に続いて、今回も私の印象に残ったお産の話をしようと思います。 ちょうど私が就職して2年目の冬でした。 初産の方でしたが、微弱陣痛で、夜通 しのお産でした。 たいていの産婦さんたちは、陣痛の時、腰をさすると楽になります。 私も自分で体験してみて、「さする」というより「こする」に近いくらい、 強くさすってもらった方が楽でした。 ずっと「こすり」続けてくれた夫と、スタッフの皆さんの手の温もりを、 今でもよく覚えています。 ところが、この時の彼女は、腰をさすると返って痛みを感じるようで、 そばについていても、何もしてあげられませんでした。 ただ、疲れて眠ってしまったご主人の代わりに、ずっと手を握っているだけでし た。 声も出さずにとても静かにがんばっているのですが、 部屋を離れるとすぐにナースコールが鳴ってきます。 呼ばれる度に、手を握って「がんばれ、がんばれ」と励ますだけ。 結局分娩室に入るまで、私ともう1人の看護婦さんと交代でずっとついていまし た。 朝になってやっと生まれた時は、やっぱりジーンときました。 そして自分自身、ずっとそばについていられたことが、嬉しく思えました。 陣痛の痛みは本人にしかわかりません。 それなのに「そんなに痛いはずがない」とか、 「ナースコール押しちゃだめ」とか、「お母さんになるんだから我慢しなさい」 なんて言う助産婦が世の中にたくさんいます。 私は看護学校の頃、患者さんの痛みがわかる看護婦になりたいと思っていました 。 このお産の当時はまだ独身で、出産も経験していなかったので、 産婦さんたちの痛みは、本当の意味ではわかりません。 もし私が、今の診療所ではないところで働いていたら、 「そんなにナースコール押しちゃだめ」と怒っていたかもしれません。 学生の時の気持ちを忘れて、流されていたかもしれません。 だから、この時、学生の時の気持ちを持ち続けられた自分が嬉しかったんです。 そして、私を育ててくれたこの職場にとても感謝しました。 そう、うちのスタッフは、お産の時に怒るような人は一人もいませんから! (ちょっと自慢・・・) 痛みをなくす事はできません。 でも私たちがそばについていて、少しでも不安や痛みが和らぐのなら、 そばで「がんばれ、がんばれ」と励ましていたいです。 ただし、ご主人が「主」で、私たちは「副」。 やっぱり夫婦2人でお産してほしいから。 赤ちゃんやお母さんたちが主役で、私たちは黒子ですからね。 自分がどんな助産婦になりたいか、改めて考えさせてもらえた、 とても貴重なお産でした。 この先もずっと、この時の気持ちを忘れないでいたいと思います。 次回もこんなお話の続きを。


連載8回目
印象に残ったお産 その3
100人いたら100のお産

今回もお産の話の続きです。 お産の時の事は、辛くて苦くて、思い出したくないって人いません? 陣痛の痛みを思い出したくないっていうのとは違いますよ。 助産婦やドクターにお産の最中に怒られた、呼吸法がうまくいかなかった、 パニックになって叫んだ、などなど・・・。 赤ちゃんが生まれた瞬間って、人生最高の幸せを感じる瞬間のはずなのに・・・ 。 それってなぜでしょう。 私は、医療者が嫌な思い出を「作ってしまった」と思います。 たとえどんなお産でも、マイナスイメージで残してはいけないと思います。 だって、お産なんて、一生のうちにそんなに何回もできるもんじゃありません。 ましてや育児のスタート地点です。やり直しはききません。 だからこそ、最高に幸せな思い出を残してほしいんです。 陣痛の痛みって不思議と忘れるものです。 だけど、医療者に作られた「苦い思い出」は消えません。 「さけんじゃだめ」「お母さんになるんだからしっかりしなさい」などなど、 助産婦にそれはそれはきびしーく怒られた人もいるでしょう。 「アンタみたいなお産もしてない若造にこの痛みがわかるか!」って むかついた人もいるでしょう。 あなたたちが悪いわけではありません。 その時の助産婦や医者が悪い!私はそう思います。 私は今の職場に就職した時に、産婦さんに対して決して怒るなと教えられました 。 叫ぼうがうまくいきめなかろうが、それは産婦さんが悪いのではなく、 うまく誘導できない自分の技術が足りないと反省しなさいと。 就職当時、産婦さんたちがあまりに静かで穏やかなお産をしているので驚きまし た。 スタッフがついている時間の長さにも驚きました。 実習していた病院では、産婦さんはひとりぼっちで苦しんで、 助産婦は詰所で分娩監視装置というモニターの画面 を見ていました。 そんな時間があるなら、1分でも長く産婦さんのそばについていてあげたらいい のに。 今の職場ではモニターはつけません。 なるべくそばについて、ドップラーという赤ちゃんの心音を聞く機械で、 頻回に元気かどうか確かめます。 「赤ちゃん元気だよ。がんばってるから一緒にがんばろうね」 その言葉だけでどれだけ救われることか。 ひとりぼっちなんて不安でしかたありません。 怒られれば余計にパニックになるでしょう。 だけど、さけんじゃう人、やっぱりいます。 それは悪い事ではないんです。ただ、エネルギー消耗するので。 叫んでしまう人には、「息吐いてみよう」「この呼吸法やってみよう」など、 いろいろ言ってみるのですが、それでも止まらない事だってあります。 そういう時は、「叫んでいいよ。それが一番楽なら」と思いっきり叫ばしちゃい ます。 自分で体験して感じました。 「今痛いって言ったら、ずっと痛いって叫ぶだろうなあ」って。 なんかね、スイッチみたいなもの、ある感じ。 スイッチが切り替わったらずっと叫んでしまいそう、 陣痛のさなかにそんな事を考えていました。 どんなにパニックになっているように見えても、 産婦さんたちはしっかり覚えています。 「いいお産だったね」そんな言葉が、育児の出発点には必要だと思います。 あー、でも、自分の未熟さにまだまだ反省の毎日です。 「ついてるのが私じゃなかったら、もっと静かなお産だっただろうか」 なんて、ちょっと被害妄想がはいったりしちゃうんですよねー。 100人いたら100のお産があります。 みんな違うから大変だし、おもしろいし、そして神秘的。 今回はちょっと辛口でしたねえ。 最後に私がとっても印象に残った言葉を。 「男の人ってお産できないからかわいそう。あの幸せと達成感みたいなものって 、 他では絶対に経験できないから」 陣痛は痛いです。でも生まれてきた時のこの思いがあるからがんばれる! 私も今では、女に生まれてきてよかったと思えるようになりました。 みなさんにもぜひ、最高の出発点を経験してほしい。 そのためにもぜひ、自分で納得のいく産院選びを!!  


連載9回目
母乳について

春というのは何かと忙しく、慌しく毎日を送っているうちに、季節はすっかり初夏になってしまいました。
ずいぶんご無沙汰になってしまいましたね。
みなさん、ごめんなさい・・・。
今回は、ずっと以前から書かなくてはと思っていた母乳について書こうと思います。
母乳の良さは、もう誰もが知っている事でしょう。
できれば母乳で、とみんなが思っていますよね。
私も母乳は赤ちゃんにとって最高の食べ物だと思います。
でも、母乳がどうしても足りない人はミルクを足してもいいと私は思っています。
ミルクは毒じゃありませんから。
ただ、今の世の中、あまりにも母乳を“出させない”産院が多いのです。
だから当たり前の環境が整っていれば、ほとんどの人がおっぱいは出る!
それをぜひわかって欲しいなあと思います。
それでは、当たり前の環境って何でしょう。
そう、私が一番大切だと思っている、母子同室、そして自律授乳です。
お母さんと赤ちゃんが生まれた直後からずっと一緒にいて、赤ちゃんが泣く度におっぱいを吸わせる事です。
特に生まれて24時間経つまでに何度も飲ませる事が、その後の母乳分泌に大きく影響すると言われています。
みなさん、おっぱいって、産院でどうやって飲ませていましたか?
3時間毎くらいに「授乳室」というところへ行って、まず赤ちゃんを体重計にのせ、その後おっぱいを飲ませ、また体重計にのせて足りない分だけミルクを飲ませる・・・、
そんなやり方じゃありませんでしたか?
これは私から言わせればとっても不自然な、母子異室、時間授乳というやり方です。
このやり方をする産院がまだまだとっても多いので、こちらの方がスタンダードだと思われがちなんですけどね。
赤ちゃんたちって、どの子もきっちり3時間毎に起きてくると思いますか?
お母さんたちが知らない間に、新生児室ではギャンギャン泣いている子もいます。
おしゃぶりをくわえたり、どうしてもだめな場合は“時間外”にミルクをもらう事もあります。
赤ちゃんによってリズムが違うのは当たり前ですよね。
それを無理やり一緒のリズムにしようというのは不自然です。
母子同室であれば赤ちゃんが泣いたらすぐに飲ませる事ができます。
最初のうちはお母さんのおっぱいもまだあまり出ないので、夜も1時間毎に飲ませる事もあるでしょう。
それでも赤ちゃんにはおっぱい以外のもの、例えばミルクや砂糖湯などを飲ませる必要はないんです。
だって赤ちゃんは、お弁当と水筒を持って生まれてきてるんですから。
お腹の中で、しっかり栄養と水分を体の中に蓄えて生まれてくるので、何か異常がない限り、3日間くらいは待てるんですよ。
その頃にはお母さんのおっぱいも出始めますから、バランスがうまくとれているんです。
これが自然で、ごく当たり前の事だと私は思います。
私が働く診療所では、入院中90%以上の人がおっぱいだけです。
その中には、1人目を他の産院で出産し、混合栄養で、自分はおっぱいが出ないと思っていたという人たちもたくさんいます。
まさしく“出させない環境”から“出させる環境”に変えてあげるだけで、おっぱいは出るんです。
赤ちゃんとお母さんの自然な共同作業のなせるワザです。
ただし、いくら母子同室でがんばっても、おっぱいだけでは足りない人も数パーセントいると思います。
その場合はミルクを足す事になります。
でも、おっぱいだけで育児できなかったからって、母親失格じゃありません。
おっぱいを飲ませる事は母と子の絆という面ではとてもわかりやすいのですが、ミルクを飲ませるときも同じように、しっかり抱っこして、赤ちゃんとおしゃべりしながら飲ませてあげて欲しいですね。
 母乳が一番大切ではなく、自分の子を心からかわいいと思える、それが育児の出発点では一番大切だと私は思います。
だから母子同室!!そうすれば母乳は自然に出てきますから。
前のお産の時に赤ちゃんと離ればなれだった人、これから初めてお産する人、みなさんぜひ出産直後から母子同室をしている産院を選んでみて下さい。
きっとおっぱいは出ます。
そして、赤ちゃんが最高にかわいいと思えることでしょう。
次回は私のおっぱい体験記を。


連載10回
私のおっぱい体験記

今回は母乳の続きで、私の体験談です。
私は何せ職業柄、たくさんのおっぱいを見てきたので、自分のおっぱいの形(特に乳首の形)がそれほど悪くはないとは思っていました。
そしてほとんどの人がおっぱいが出る環境なので、きっと自分も出るだろうと気楽に考えていました。
乳首の手入れはそれこそ独身の時からしていましたから、(これについてはまたお話します)妊娠中も毎日おふろの中で指でこすっていました。

初めておっぱいが少し出るのに気づいた時は感激しましたね。
生まれてくる準備をしているんだなあと実感しました。
妊娠10ヶ月頃には確か、6〜7本おっぱいの出る腺が開いていたと思います。
ちなみにこれを私たちの業界用語では「乳管開通」と言います。
私がこれまで見てきた経験上、妊娠中にたくさん乳管開通している人は、していない人に比べて早い時期から母乳が出るような気がします。
実際に自分はどうだったかと言うと、本当に早くから良く出ました。
出産直後から泣く度飲ませていましたが、よく泣くはずの1〜2日目も、うちの子はよく寝てました。
2日目から体重は増え、3日目には出生体重を超えていたので、たくさんおっぱいを飲んでよく寝ていたんだと思います。
おかげで乳首も全然傷みませんでした。
まだおっぱいの出の少ない2日目頃までに赤ちゃんに頻回に吸われるため、乳首に傷ができたりする事がよくあります。
自分もきっとそうなるだろう、でもすぐに治るから・・・、なんて思っていたのに、何だか拍子抜けしたような気分でした。
何もかも順調!?そうは問屋がおろしませんよね。
3日目の夜から私のおっぱいはガチガチに張ってきました。
ご飯を食べても、シャワーをしても、ほんとに一口お茶を飲んだだけで、キーンと張ってくるのがわかります。
うれしい悲鳴なんだけど、とにかく痛くて眠れません。
最初は子どもがモゾモゾと動くとすぐ起こして、無理やり飲ませていたのですが、
2回ほどゲボーッと大量に吐かれました。飲ませすぎだ・・・。
それ以来反省して、夜中もスヤスヤ眠る我が子の横で、私はジャンジャンおっぱいを搾ってました。
うーん、まさしく牛になった気分・・、そんな事を考えながら、たくさん搾れるとなんだか楽しくなってきました。
でもまた張ってくる・・・、そんな事が退院しても1週間くらいは続きました。
その後は吸われるとツーンとわいてくるような感じがして、ビューッと出るというおっぱいに変わってきたので、
搾る必要もなくとても楽でした。
マッサージも何もしません。ただ赤ちゃんに飲ませるだけ・・・。
そんな事でおっぱいがこんなに出るなんて、当たり前とはいえ、やはり不思議でした。
子どもを生んで育てるという自然の力って何てすごいんだろうと実感しました。
そんなこんなで、私と息子の約1年のおっぱいライフが始まりました。
おっぱいって、とにかく楽!!
夜も眠い時は横になったまま添い乳の形で飲ませられます。
2人ともそのまま眠ってしまうので、寝かしつけるのも楽でした。
哺乳ビンの消毒もいらない、外出の荷物もいらない、泣いたらすぐに飲ませればいいんです。
夜中も何度か授乳するのですが、私の場合はそれほど辛いとは思いませんでした。
だって何度も起きるのが当たり前ですから。
すぐに熟睡できる体質も良かったかな・・・。
自分で体験してみてやっぱりおっぱいの良さを実感しました。
みなさんもぜひおっぱいを出させる環境を選んでください。
お金もかからないし、とても楽だから。
次回は私のおっぱいライフその2です。
おっぱいを飲ませていても楽しい外出!そんな内容です。お楽しみに。


連載11回
おっぱい飲ませながらでも楽しいお出かけ

今回のテーマは「おっぱい飲ませながらでも楽しいお出かけ」です。
私は母乳育児に短所なんてない!と思っていますが、あえて短所をあげるとなると、「誰かに預けて出かけられない」と思っている人もいるのではないでしょうか。
そう、おっぱいの子たちは哺乳ビンの乳首を嫌がります。
だからたとえおっぱいがジャンジャン搾れたとしても、搾ったおっぱいを哺乳ビンで飲まない子もいるんです。
じゃあどうするの?
悩む事はありません。赤ちゃんも一緒に連れてお出かけしましょう!
さて、私の体験談になりますが・・・・。
1ヶ月を過ぎる頃から、子連れの外出が始まりました。
外出と言っても、まずは食材のお買い物程度です。
私の場合、ベビーカーで歩いて行ける距離にジャスコがありました。
ジャスコやダイエーなどのショッピングセンターの便利なところは、スーパー並みの品揃えで食品が選べ、かつ「赤ちゃん休憩室」があるところです。
「赤ちゃん休憩室」とは、ショッピングセンターやデパートのベビー用品売場の奥に、必ずと言っていいほどあるお部屋の事です。
ここにはおむつ替え用のシートがあり、赤ちゃんのおむつが楽に替えられます。
そしてカーテンなどで目隠しができる授乳室もあるので、おっぱいが飲ませられます。
買い物の途中で赤ちゃんが泣いてきても、ここへ行って授乳し、おむつが替えられるので安心ですよね。
おむつ替え用のシートだけならトイレについていたりしますが、さすがにトイレではおっぱいを飲ませられません。
母乳育児のつよーい味方だと私はひそかに絶賛しています。
ゆっくりお買い物ができるし、絶対におすすめです!
私の場合も「赤ちゃん休憩室」があるために、近くのスーパーよりも、ジャスコへ足繁く通 っていました。
そして、そこまでの道中も楽しいものでした。
普段なら気にもとめずに車でビューンと行き過ぎてしまうような場所に、ふと、足を止めてみたりします。
お寺の入口の桜が日に日に満開になっていったり、和菓子屋さんの張り紙がいちご大福、柏餅、水ようかんと季節によって変わっていったり・・・。
子どもと一緒に歩いていると「ほら、桜がいっぱい咲いてきたよ」、「今日は夕日がきれいだね」と語りかけながら小さな事にも感動できるんですよね。
今では毎日忙しく、ゆっくりお散歩する時間もなかなかありませんが、1年間の育休中はそんなゆったりとした時間が流れていました。
それでも小さなことでよく勝手にストレスをためていました。
おむつの洗濯が嫌になったとか、衣替えが面倒だとか・・・。
そう、家事嫌いのふとどき者の私は、そんな事で夫をおいて、子どもと2人で実家に帰ることがよくありました。
そして2日くらいでリフレッシュしてまた帰ってくるんです。
家から一歩も出ない日なんか、夫が帰ってくると、「何かしゃべって。私は今日誰とも話をしてない。話す事も”○○まるマーケット”の
おめざが何だったかくらいしかない。外に出かけてるんだから何かあるでしょ!」と無理やり話をさせたりして・・・。子どもと家にいる時間ももちろん楽しいです。
でもそればかりだと息が詰まることもあります。
そんな時は外に出るべきだと思います。
私の場合、子どもれの外出は全く苦になりませんでした。
逆に誰かに預けてまで行きたいところはありませんでした。
美容院も夫と3人で行きました。交代でカットして、交代で子守りです。
おっぱいを飲んでいる間って、一心同体って感じでしょ?
行きたいところには一緒に行けばいい、乳児が一緒に行けないところには、自分もそれほど行きたいとは思いませんでした。
独身で何でもやりたい事ができた時とは違います。
我慢しなければいけないこともきっとあるでしょう。
うちの産婦人科の先生はよく言います。
「結婚して子どもを産んで育てるという事は、階段を一つずつ登る事だ。後戻りはできないんだ」と・・・。
独身の時には味わえなかった楽しいお出かけだってたくさんできます。
ベビーカーで歩いていると、知らない人がしゃべりかけてくれます。
みんな赤ちゃんの顔を見ると笑顔になります。
そんな幸せ、出産して初めて知りました。
みなさん、外に出かけたくなってきたでしょう?
暑いから嫌だって?夕方少し涼しくなったらお出かけください。
きっと知らない人でも笑顔で話しかけてくれますよ。
赤ちゃんと一緒のお出かけ、ぜひ楽しんでくださいね。


連載12回
今回は出産準備品のお話です。

まだ買っていない人、もう買ってしまった人、使わず後悔した人、色々いるんじゃないかなあ。
私は声を大にして言いたい!みなさん、余分な物は買わないで!
ベビー用品売場に行くと、出産準備品コーナーが必ずあります。
でも、ここにある物すべてが必ず必要な物ではないのです
私の経験も含めて一つ一つお話してみましょう。
まず、必ずいるもの、それは赤ちゃんの着る物です。
肌着、上着、おむつ、おむつカバーがありますよね。
季節によって素材や着せる枚数に違いはあるものの、必ずいります。
でも、新生児の時期ってあっという間に過ぎてしまいます。
しかも毎日お洗濯しますから、50cmの肌着は多くて4〜5枚でいいと思います。
おむつカバーも同様です。
おむつは1日10枚ちょっと使うとして、30〜40枚あると安心です。
そう、私は布おむつの話をしていますが、紙おむつのつもりの人もいるでしょう。
確かに今は紙おむつを使う人のほうが多いです。
私も退院してきてしばらくした頃、郵便局の簡易保険の人が学資保険を勧めに来て、「昔はおむつが干してあるか庭を見て訪問してたけど、最近は紙おむつでねえ。
 あなたの家におむつが干してあったからびっくりしましたよ。」なんて言われてしまいました。
私の働く診療所では入院中はリースの布おむつを使っています。
もちろん妊娠中から布おむつを勧めています。
母乳だけの場合は退院後、母乳が足りているか不安になりますが、1日8回以上くらい布おむつがぐっしょり濡れるおしっこが出ていればおっぱいは足りているよと、私たちはアドバイスしています。
紙おむつではおしっこの1回量はわかりません。
そして何より肌にやさしいです。
私も自分で経験してみて、慣れてしまえば洗濯もそれほど大変ではないし、紙おむつを使っていたらあんまりおむつを替えなかったかも・・・。
ずぼらな私には布おむつでがんばるくらいが、ちょうどよかったのかもしれません。
ちなみに退院してすぐは、50cmのおむつカバーが大きすぎる子もいるでしょう。
うんちが毎回漏れて布おむつ断念、という話も聞きます。
そんな時は新生児用の紙おむつをおむつカバー代わりに使ってみて下さい。
紙おむつの中に布おむつをするんですよ。
しばらくして大きくなってくるとサイズが合うようになっておむつカバーが使えます。

さて次は、寝る場所。布団とベッドです
我が家にもベビー用の布団は、一組もらってありました。
でも退院してすぐは私の布団に一緒に寝ていたので、あまり使いませんでしたね。
無くてもいけるくらいです。まあ、お昼寝にも使えるからあってもいいですね。
そして、ベビーベッドですが、これには住宅事情がふか〜く関わってきます。
私、個人的には、ベビーベッドはいらない、使わないものだと思います。
夜中授乳して、さあベッドに寝かせようとすると起きてしまう、
結局自分たちの布団に一緒に寝ていてベビーベッドは使わないという人、きっと多いんじゃないかなあ。
狭い家の人は無理に置く必要は無いと思いますが、どうしても実家の親が用意したいと言うのを断れない人もいるでしょうから、これについてはどちらでもいいのかなと思います。

そして2000年4月から義務化されたチャイルドシート
我が家も買いましたよ〜。新しい物好きの夫のお陰で当時の最新モデル・・・。
うわ〜ん、高かったよ〜。
今も毎日使っているので、当たりだったと言えば当たりだったのですが・・・。
経験して感じた事、それは重さと取り付けやすさも考慮すべきという事。
我が家のチャイルドシートはとっても重くて、私なんかの手に負えません。
共働きなのでもう一つもらったチャイルドシートを2台目の車につけていますが、これはシートベルトを固定する金具の通 し方が説明書無しではチンプンカンプン・・・。
今の最新型はもっと改良されているのでしょうが、女の手に負える物が欲しい!
頭を守る機能も大切だけど、きちんと取り付けられなくちゃ意味が無い!
メーカーさんにこの声届け〜。
ちなみにチャイルドシートをもらったり、リサイクルショップで買う人もいますよね。
ぜひ説明書があるか確認してくださいね。
我が家の2台目のチャイルドシートはもらった物ですが、説明書と大事な金具が無く、とっても困りました。
メーカーに電話して、説明書のコピーと金具(これは実費)を送ってもらいました。
取り付ける車も結構選ぶみたいなので、よ〜く買う前に研究してください。
チャイルドシートは高いけれど、私のようにお出かけ好きには必要不可欠です。
チビッコと2人でどんな所でも行けるので、これはやっぱり必要かなあ。
あ、義務か・・・。
さてここまでは必要だと思うものを主に挙げてきました。
長くなってきたので続きは次回にしたいと思います。
次回はそれほど必要ではないと私が考えるものです。
ベビー用品は全部自力で揃えようと思うと莫大なお金がかかります。
もらえる物はもらいましょう!
服やおむつなんかは姉妹なら貸し借りもできますし。
私もほとんどもらいものでした。
余分なお金は使わないで、その分何かおいしい物でも食べて元気になりましょう!


連載13回
出産準備品その2

とてもとても久しぶりになってしまいました。
みなさんすみません。
実は私事で恐縮ですが、2人目を妊娠し、しばらくつわりに苦しんでいました。
やっとパソコンの前に向かう元気が出てきたところです。
そんな体験もまた改めて書きたいと思います。
さて、今回は前回に引き続き出産準備品のお話です。
前回は必要な物を書いたので、今回はあまり必要ではない物について。

まずは哺乳ビン関連商品です。
私は環境さえ整えれば(母子同室、自律授乳を実践すれば)、ほとんどの人が母乳だけで育てられると思っています。
ぜひ母乳で育てたいと思っている人は、出産前に哺乳ビンなんて準備しないで下さい。
母乳が出るかどうかはお産してみないとわかりません。
母乳だけでは足りないという事になったらその時準備すればいいのです。
さらに自分の乳首に近いものや、赤ちゃんの飲む力に合ったものを選ぶべきなので、赤ちゃんが生まれる前に買ってしまっては無駄 になる事もあるのです。
それに家に哺乳ビンがあると、ただよく泣くというだけで、母乳が足りているはずなのにミルクを足したくなるでしょう?
中には哺乳ビンだけでなく、消毒するためのものや、調乳ポットなどを出産前から準備する人もあります。
母乳がよく出たら、ぜ〜んぶいりません。ああ、もったいない・・・。

それからベビーバスです。
生まれて1ヶ月くらいはベビーバスで沐浴した方がいいと言われていますが、元気な子ならそんな必要ないと私は思います。
我が家にはベビーバスはありません。
退院したその日から一緒のお風呂に入れていました。
今はどこの家庭にもお風呂がありますよね。
だから一番風呂で、入れる人がまず自分の体をきれいに洗って、それから赤ちゃんを洗って一緒に入れば問題ないと思います。
ベビーバスってお湯の出し入れがとっても大変なのです。
お風呂場で入れるのならお湯の出し入れは楽ですが、狭い場所であの中腰の姿勢はつらいです。
どうしてもいやだという人は、洗面台で入れてはどうでしょう。
最近の洗面台はシャンプーもできる大きさです。
いっぱいにお湯を入れれば沐浴できると思います。
ちなみにうちの子は、1ヶ月健診で5000gになっていました。
ベビーバスで片手で支えるのはとてもじゃないけど無理だったな〜。
あの大きな1ヶ月しか使わないもの、みんなどこに置いてあるのかなあ・・・。
1人目生んだ後、捨てるわけにもいかないだろうし・・・。
必要ならレンタルという方法もありますよ。
その他、ベビーシャンプー、ベビーソープなどなど、刺激の強くない石鹸なら大人と一緒の物でいいと思いますよ。
私は無添加のにおいの全くない石鹸を使っていました。
しばらくしたら、もらい物の普通の入浴用石鹸を使っていたかな。
肌が弱い子や合わない子は別ですけどね。
これまたしばらく使ってみないとわからないと思うので、必要なら生んでから買いに行ってもいいと思いますよ。
そうそう、赤ちゃんの肌着やおむつを洗う洗剤も肌には関係します。
柔軟剤を使うとだめな子や、粉石けんでないとだめな子もいます。
それに赤ちゃん用の服はほぼ全て、「蛍光剤の入っていない洗剤で洗って下さい」と書いてあります。
いわゆる一般的な合成洗剤には蛍光剤が入っていますから、私も子どもを生んでからというもの、粉石けんでお洗濯しています。
溶けにくいので風呂の残り湯を使ったり、先に溶かしてから入れれば大丈夫です。
まあこれは個人の趣味の世界ですけどね・・・。
細かいものをあげればきりがないのですが、主に買いたくなってしまうものの代表をあげてみました。
これから準備する人の参考になればうれしいな〜。
もう準備してしまった人にはごめんなさい。
とにかく不必要な物にはお金を使わず、本当に必要な物にお金をかけて下さい。
子どもが生まれるとお金って羽がはえたように無くなっていく・・・。
我が家はその分、夫が財布のひもを締めていたかしら。
みなさんも楽しく上手に出産準備をしてくださいね。

連載14回
第2子 出産記(1)

本当に久しぶりになってしまいました。
つたない文章ながら、読んでいただいていた皆さん、すみません。
この長いお休みの間に、私は二人目の出産をしました。
今回はそのお話をしようと思います。
予定日の6週間前から、待ちに待った産休ライフ。
しっかり楽しもうと思っていたら、かえってつらい日々を過ごすことが多くなりました。
私も上の子も、どうもおかしいのです。
気に入らないことがあるといつも以上にパニックになり、狂ったように泣き叫ぶ。
私も過剰に反応して大声で叱る。
彼の泣き叫ぶ姿を見ながら私も泣いて・・・、そんな毎日でした。
妊婦さんたちに、「上の子が落ち着かなくなるけど、叱らずたくさん抱いてあげて」と話をしてきましたが、いざ自分のことになるとなかなか・・・。
後で考えれば、私の不安定な心の状態が上の子に伝わっていたんだと思います。
夫をはじめ、いろんな人に助けてもらって、私が落ち着いてくると、次第に上の子も落ち着いていきました。
これもいわゆるマタニティーブルーだったのかなあ・・・。

1人目のお産はごく普通に10時間以上かかりました。
経産婦の場合、だいだい初産の時の半分くらいの時間になります。
前回は、陣痛が始まっても出歩いていて、5分おきくらいになってやっと、腰をさすってもらうような感じでした。
それが今回は、2時間半くらいで生まれてしまったのです。
安産で楽だったと言えばそうなのですが・・・。
夜中の1時にいきなり5分おきの激烈な痛みがやってきました。
おしるしもあり、ああきっとこれは陣痛だ、と思いながらも、もし違っていたらいけないと、1時間ひとりで何とか耐えていました。
でも今回は上の子もいます。いろいろ算段しなければいけません。
朝までに生まれたら保育園に行かそうか、寝られなかったら休ませようか、と、激痛にもかかわらず、いろんなことが頭をかけめぐります。
もう限界と、夫を起こし、廊下を這いつくばって指示を出し、いざ診療所に電話をかけて入院しますと言うと、
「あ〜、今1人分娩室なんだよねー。でもとにかく気をつけて来て!」とのこと。

部屋は満室、しかもお産は重なる・・・。
ああ、スタッフのくせになんとご迷惑をおかけすることか・・・。
診療所に到着。診察してもらうとすでに子宮口は8cm!
経産婦ですから、いきんだらすぐ生まれます。
私は、「ああ、この痛みとももうすぐおさらばだ。」と心の中でガッツポーズ。
でも先生は「はあ〜、8cmか、いきんだら生まれてしまうなあ。」と、ため息をついています。
そう、分娩室に入っている人と、まさに同時進行。
その人は初産なので、私が追い抜かすだろうというわけ。
分娩室はひとつしかないので、処置室で生むか、部屋で生むかと聞いてくれました。
私は別にお産のスタイルにはこだわりはありません。
上の子も分娩台でお産しました。
でも今回は、3歳の上の子も立ちあわせたい。
スタッフですから準備も片付けも大変なこともよくよくわかったうえで、畳の部屋でのお産を選びました。
夫が膝に上の子を抱っこしながら、私の頭を支えるような格好で、何度かいきんだら生まれてきました。
前回はその瞬間、感動の嵐だったのですが、今回は「はあ〜、終わったあ」という感じでした。
上の子はカチーンと固まっていましたが、私がいきむ間、夫と一緒に手を握って、がんばれがんばれと応援してくれました。
生まれた後、上の子の手を握り、「ありがとうね」と言うと、固まりながらもニヤッと笑ってくれました。
上の子にはお産になる1週間ほど前に、絵本を見せて話をしたり、彼が生まれたときの写 真を見せて、こわくないからねと言い聞かせていました。
へその緒も見せました。
その甲斐があったのかどうなのかよくわかりませんが、怖がって泣くようなことはありませんでした。
夫がへその緒を切ったのが印象に残ったのか、後で「ぼくの(へその緒)もパパがチョキンてしたの?」と聞いてきました。
「そうだよ、あなたが生まれた時は嬉しくて嬉しくて、母さん涙が出たよ」と答えると、照れくさそうにニコ〜と笑っていました。
その笑顔を見て、心から立ちあわせて良かったと思いました。
家族に囲まれて、生まれたての我が子におっぱいを飲ませる。
最高に幸せな瞬間・・・。
でも時間は朝の4時。上の子も退屈で眠くて、だんだん騒ぎ出します。
このままここで寝ることは無理だから、やっぱり無理やり連れて帰ってもらおうと、「ママー!ママー!」と泣き叫ぶ彼をかかえて夫は帰っていきました。
誰もいなくなって初めてじっくりと、生まれたばかりの二人目の息子を見ました。

感動に浸ると言うより、上の子のことばかり気になってしまい、やっとこの子のことに気持ちがいったという感じでした。
次男君、ごめんね。
ああ、それにしてもやっぱり、ずっと横に我が子がいるのはいいもんです。
すやすや眠る子を抱っこしながら、ほっぺにかぶりつきたくなります。
この時がまさに至福の時。
この幸せを味わえないなんて、本当にもったいない!
絶対、絶対、母子同室です!
畳の部屋での家族に囲まれてのお産。
本当に幸せな経験ができました。
陣痛はやっぱりつらいけど、あんなに早く生まれるならもう一人生んでもいいなあ。
でも夫はもういいみたいです。
確かにまた男だったら、我が家は食費でつぶれるかも・・・。
あの幸せなひとときは、他ではあまり味わえない。
みなさんにもこんな幸せなお産をしてほしいと心から願っています。


連載15回
第2子 出産記(2)

二人目の子というのは、早い時期から無理やり外に連れ出されます。
連れて行くしか仕方ないというのが正しいでしょうか。
我が家の次男坊も、2ヶ月になる少し前から、長男の保育園の送り迎えに付き合うようになりました。
寝ているところを起こされてしまう日もあります。
でも誰もいない家に置き去りにしていくわけにもいかず、毎日仕方なく・・・。
余談ですが、子どもたちというのは、手加減をしないところがあります。
次男を抱いて保育園に行くと、長男のクラスの子どもたちがワラワラと集まってきます。
そして、泥だらけの手だろうがおかまいなしに、もみくちゃにしてくれるのです。
長男が「めちゃくちゃすると泣くんだよー」と言って止めに入ってくれるものの、相手にされません。
お陰で、長男は元気なのに、なぜか次男だけが熱を出したり、咳が出たり・・・。
こうやって二人目は鍛えられていくのでしょうか。
さて、話は戻りますが、赤ちゃん連れの外出、大変だけど楽しい!
1人目の時は、ベビーカーで近所を散歩する程度で、長時間屋外にいることはほとんどありませんでした。
しかし、二人目ともなると、上の子の保育園の行事や、休みの日の公園や遊園地など、付き合わざるを得ません。
夫がいるときはまだいいのですが、夫がいない時はそれなりに大変です。
先日、図書館へバスに乗ってでかけました。
普段は車に乗って行くのですが、長男を久しぶりにバスに乗せてやろうと思い、ベビーカーと荷物を持ち、次男を抱っこして乗りこみました。
少し混んでいて座れそうになく、すぐに降りるので立っていようと思っていたら、前に座っているおばさんが席を譲ってくれるんです。
でも、すぐ降りますからとお礼を言って断ると、今度は茶髪のおねえさんが「一番前、あいてますよ」と教えてくれます。
みんな何と親切なんだろうと、感激していると、手を離していたベビーカーがゴロゴロ転がりそうになるではありませんか!
 急いでつかみ、足ではさんで、かばんからお財布を出していると、またまた違うおばさんが「この荷物持ってあげる」と、手をさしのべてくれるんです。
嫌なニュースが多い今日この頃ですが、世の中捨てたもんじゃありません。
こんなにも人の優しさに触れて、嬉しくなってしまいました。
まあ、ちょっぴり恥ずかしかったというのも本音ですが・・・。
赤ちゃんって、周りの人を笑顔に、そして優しい気持ちにしてくれますよね。
こうやって外出して、当然おっぱいも飲ませます。
図書館で本を読んでやりながら、公園の滑り台で遊ぶのをベンチで見ながら、などなど、公共の場で飲ませることが多くなりました。
おっぱいは楽チン!荷物もいらない、パッと飲ませるだけ。
ちなみに私は、通販で授乳服というのを買いました。
普通の服でももちろん授乳はできるのですが、この授乳服はうまくできていて、パッと見ただけではおっぱいを飲ませているようには見えないんです。
服をめくりあげると、どうしても下腹の余分なお肉が見えちゃいますよね。
これをうまく隠してくれるので、私はかなり気に入っています。
ちょっとお値段高めですけど・・・。夫はびっくりしてました。
これまた私の話なんですが、先日、一緒にお産で入院していた時のお友達とご飯を食べに行きました。
それぞれ赤ちゃんたちが泣いてきて、それぞれ当たり前のようにおっぱい飲ませて、3人ともおっぱい飲ませている姿はなかなか圧巻でした。
我ながらちょっと自慢したい気分がしました。
恥ずかしいなんて気持ち、全然ありません。
私の妹も、某大型ショッピングセンターの赤ちゃん休憩室で、モデルのように美しいお母さんが、思いっきり服をまくりあげておっぱいを飲ませているのを見て、嬉しくなったそうです。
もっともっと増えろ、おっぱい人口よ!
赤ちゃん連れの外出は、楽しいって伝わりましたか?
目線が変わります。普段は立ち止まらないところに立ち止まってみたりして。
たくさんの人たちを笑顔にします。
優しい気持ちになれますよ。
母のストレス解消にも最高ですから。


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