ベビーベッドは赤ちゃんのために廃止すべきです

7ヶ月の子(2800g>8400g、70cm))をベッドから添い寝に変更するって良くないでしょうか?
 夜間授乳には、夫が夜中に起きておむつかえ、そして赤ちゃんを連れてきてくれます。最近は体力が回復したため、私が起きる事も多々あります。産まれたときから完全母乳で育てており、離乳食もアレルギーの家系なのと自分の意向でしばらく待つつもりです。最近育児ボランティアで相談に乗ってくれている方から、私が添い寝したいなら、まだ遅すぎないからそうしたらどうか、と言われました。授乳が終わった後、気持ち良さそうに私の側で眠る子を夫に頼んでベビーベッドに戻す時、寂しいのです。ベッドであの小さな子がけなげに一人で寝ている姿を見るのも胸がつぶれそうです。たまに、夢を見ているのか泣いてすぐにまた眠る時もありますが、基本的にはある一定時間泣いたり、特定の泣き方をすると夫が子どもの部屋に行きます。なので、たまに泣いていても、夫が気がつかないと、私が起きているのに体がなかなか起きられなくて、対応する前に子どもがまた眠ってしまう場合がありました。
こんな時、添い寝だったらすぐに何かできるのに、別室だから泣き声を無視した形になって罪悪感が。
 インターネットや友人(日本)に相談したら、後から独り寝させたい時に苦労するから、今更何も変更する事ない、と言います。独り寝するときはかなり泣いたり、親のベッドに入ろうとして、かなりトラウマになると。
 添い寝しなかった理由:産後、精神、体力共に弱っていて入院した事(2ヶ月頃)既にベッドがあった、在米という環境、一人で問題なく眠った、夫婦の布団(床で寝ています)が夫の体型に対して狭い事。日本の赤ちゃん用布団が手に入りにくい事。部屋も狭いです。カーペットなので、埃も心配です。でも、布団の私の寝る側と壁の間に、赤ちゃん布団一つくらい入るスペースはあります。が,壁に赤ちゃんが当たりそうで心配です。
 昨日、おとといとクイーンサイズの布団で添い寝してみました。赤ちゃんを端に、私の横に寝かせました。なきはしなかったけど、う〜ん、という声で私は目をさまし、おむつを換えずにそのまま授乳を2−3分しました。赤ちゃんは満足そうにすぐにまた寝付きました。たぶん、2−3回こういう感じでした。安心のためにおっぱいが欲しかったのでしょうか。ここ数ヶ月は「一晩中寝る」と私達夫婦も周りも認めてましたが、実は別の部屋なので微妙なサインに気がつかなかっただけなのでは?と思いました。これは添い寝賛成派の本にも書かれていますし。隣の部屋からたまに弱いひ〜んという声がしても、起きる前に静かになり、赤ちゃんがまた眠るので、寝言だろうと思っていたのです。私が朝とても弱いので隣の部屋で赤ちゃんがきゃっきゃと遊んでいるの分かっていても、おむつか授乳してほしいと泣くまで私は布団にいます。とにかく、昨晩など添い寝したときは、授乳後ほっぺを赤くして、ベロを少し出して寝る可愛い赤ちゃんの寝顔を見てるだけでとても幸せでした。腕を廻したらとても温かかったです。問題は、3人で一枚のシーツを使う事はとても難しく、一人がトイレに起きよう物ならシーツはめくれてしまいます。授乳の位置関係もあり、個別に必要なのか、と思いました。が、今日はとても頻繁な授乳と昨晩の浅い睡眠で疲れてイライラしているので、ベッドに寝かせました。優柔不断なのは赤ちゃんに良くないのではないか、と思い、とても歯がゆい思いです。もう少しベッドルームが広かったら。。。必要な日本の赤ちゃん布団をアメリカでお手頃に手に入ったら。。。と思ってます。家の改築工事で家が荷物だらけのため、赤ちゃんにいい環境を整えられないのも辛いです。そんなこんなで、時間はどんどんすぎて行って添い寝とか決断するべき大事な時期をどんどん見逃している気がするのです。

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回答 たまごママネット医師団
1987年に生後9週、13週、29週の3例の乳児を対象として、母親が傍から離れ、別の部屋に移動したときの額の体温変化を調べた実験があります。
3例ともに額の体温は低下ました。1990年には8週から15週の11組を対象とした実験結果も報告され、母親がいなくなると額の体温が低下することが証明されています。母親が傍からいなくなると乳児は緊張して体温低下が見られます。母親と知らない人が入れ替わると、最も体温低下が激しいことも証明されました。人の視覚能力が最も高い時期は生後6か月頃で、この時期はサルの顔の区別ができることが1992年に英国から報告されています。このことは母親の顔のわずかな変化に気付き、親の怒った顔に敏感に反応し、強い緊張状態が訪れることを意味しています。
  人の子どもはとても感覚能力が高く、置き去りにされたり、怒られたりするととても緊張して、ストレスや学習に関わる脳の海馬や、喜怒哀楽の情動に関わる扁桃体などが萎縮することが動物実験の結果から予想されています。そのために将来ストレスに弱い脳になり、トラウマを受けやすくなると考えられます。さらに動物実験では、心地よい思いを与えられた子どもは、脳内でオキシトシンと呼ばれるホルモンが産生され、ストレスから脳を護ります。
  子どもの頃にオキシトシンが脳内で産生されると、成人し自分のこどもを持ったときに子育て行動を上手に行うことができることも分かっています。人間にたとえれば6か月までが非常に大事な時期であると考えられ、この養育期に母親の愛情を受けることができないと他者への信頼と自信が育ちにくく、将来多くの問題を引き起こすことが予想されています。
  人の体は200万年間大きく変化していませんので、200万年前に生まれた子どもも今生まれた子どもも一人にされると、捕食者から食われるおそれを感じると考えられます。
子どものラットを母親から離すと最初は鳴きますが、助けが得られないと捕食者から身を隠すためか泣き止み、泣き止むと同時にストレスホルモンのグルココルチコイドが通常の1000%程度まで産生され、脳を傷害します。そして24時間後に死が訪れます。母親から離されることはとても恐怖に満ちたことで、ラットをかごに入れて母親から引き離すと、海馬に取り返しのつかない変化が起こります。
  また、子どもの方を向いて授乳するときに母親の脳内で5分間に1回程度の割合でオキシトシンが大量に分泌されます。その時母親は、子どもを本能的に受け入れるようになります。もともと親子の愛情は本能的な愛情ではなく作り上げてゆかねばならないものなので、オキシトシンの分泌はとても重要です。オキシトシンは母乳中にも血液中よりより高い濃度で分泌されます。今年の6月に成人を対象として、オキシトシンを吸入させると他人を信頼できるようになることが報告されました。母乳を吸う乳児は母乳中のオキシトシンを嗅いで、人を信頼できるように育つのかもしれません。
  乳臭い母親が傍にいることはとても心地よく、基本的信頼関係を作るのに必要です。母親から離され一人で緊張して眠りが浅くなると、活動時に産生されるノルアドレナリンと呼ばれるホルモンが多く産生され、入眠中に脳内で産生されるセロトニンと呼ばれるホルモンの産生が減り、バランスが崩れると将来、衝動的な行動を取るような異常事態が生じる可能性があります。
人間のように未熟な大きな脳を持った動物の親はその脳が成熟するまで多くの犠牲を払って子どもを守らなければなりません。未熟な脳を持って産まれた動物の親は、間違いなく親は子どものための存在です。
  子どもが親のための存在になったときが子どもを乱用するabuseです。世界で最も少年犯罪が多いと考えられるアメリカではベビーベッドが当たり前かもしれませんが、東洋では子どもの檻に見えると考える人が増えてきていると思います。すぐには困難ですがベビーベッドは廃止すべきと考えています。
白川先生 産業医大小児科 05.12.20


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